高御位山はれっきとした播州の山ですが、JRを使えば北摂地域からも案外交通の便も良く気軽に登れます。という訳で今回特例!で紹介します。
JR神戸線の加古川駅で新快速から快速(普通)に乗換え宝殿駅で下車します。改札口を北側に出て西に進み、突当たりのT字路を右に曲がると数分で「岸」という加古川バイパスとの交差点に出ます。
バイパスをくぐってすぐに左折し、側道沿いに進みます。右前方にはごつごつした茶色い岩肌を露出した、高御位山の前山が望まれます。最初の信号機の無い横断歩道のある所を右折して住宅街を進みます。
大きな道路に合流して川を渡り、次の交差点では理容店の左手を進みます。小さな峠を越すと池が現われます。池の左を進むと田んぼが広がって視界が開け、堂々とした高御位山の容姿が山頂まで目に飛び込んできます。(写真@)
交差点毎に左折或いは直進して徐々に山麓に近づいて行くと、そのうち無料駐車場の完備した登山口に着きます。(写真A) 「日本で初めてグライダー飛行を行なった山」などと書かれた説明板の横を通って、石段を登っていくと丁寧に整備された階段状の登山路となります。
山火事のためか樹木はまばらで高くなるにつれ、背後・東側の視界が開けてきます。霞の向こうにはぼんやりと明石海峡大橋も望めます。
大きな岩が現われて南側が開けると、ほどなく頂上に着きます。巨大な露岩が宙に浮くように南側の播磨灘の方角に張り出しており、(写真B)この上からは絶景が楽しめます。反対の北側には高御位神社の小さな社殿があります。
休憩後、マイクロ波の反射板の右側から、鹿嶋神社までつづく縦走路を西に向かいます。
幾度となくアップダウンを経て、逆光のなかに双耳峰の鷹ノ巣山のシルエットがだんだん大きくなり、東峰・西峰の順に辿ります。これより先の縦走路は、300mにも達しない標高ながら、周りの情景は夏場の北アルプスの稜線をコンパクトに切取って播磨平野に据付けた、
と誇張しても許されるほどの見事さで、まさしく「播磨アルプス」の名に恥じない壮観さです。(写真C)
縦走の最後。鷹ノ巣山を下ったところから振り返る山容は実に秀麗で、(写真D)高御位山の遠景(写真E)もなんとも雄大です。岩の上に座り、今歩いてきた縦走路をもう一度振り返ってひと呼吸置いたのち、恐竜の背中のような百間岩を慎重に下り、鹿嶋神社の境内を通ってJR曽根駅へと向かいます。